
エクセルを使用するときに覚えておきたいのが絶対参照と相対参照という言葉です。
これを正しく理解していないと計算式を誤ってコピーしてしまうことになります。
絶対参照 | 相対参照 |
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どちらもA2とB2のセルの値を計算する式になります。
$がついているのが絶対参照、なにもないのが相対参照です。
絶対参照と相対参照とはエクセルでセルの位置を表す2つの方法です。
この2つは式をコピーしたときに違いが現れます。
それぞれを隣のセルにコピーすると次のようになります。
絶対参照コピー | 相対参照コピー |
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絶対参照をコピーしても「$A$2+$B$2」のままなのに対し、相対参照は「B2+C2」に変わってしまっています。式が変わったので、計算結果も159から237に変わっています。
絶対参照はどこにコピーしてもそのまま。
絶対的なセルの位置を表す方法です。
これに対し、相対参照はいまのセルの位置から見た相対的な位置関係を表わしているのです。C2のセルに設定されている「A2」は2つ左側のセルを意味していることになります。
C2のセルを基準にしてみると、
これが相対参照の考え方です。
このため、この式をD2のセルにコピーすると、D2を基準として考えます。
となるわけです。
なぜ、ややこしい相対参照があるのかというと、相対参照には便利なことがあるからです。
上の例でC2の計算式を、C3、C4…と下にコピーする場合を考えてください。
絶対参照コピー | 相対参照コピー |
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絶対参照ではセルの位置が変わらないのでコピーしてもA2とB2を足した結果が表示されます。
反対に、相対参照だとセルの位置が変わるのでA3とB3を足した結果が表示されます。
このケースだと相対参照でコピーしたほうがイイのがわかるのではないでしょうか。
(合計には点数1+点数2を表示させたいので)
どちらを使ったほうが良いのかは表の作り方(データの意味)によって違ってくるのです。
ここまでA2の絶対参照は$A$2として説明してきましたが、「$A2」「A$2」も絶対参照の一種です。$のついているほうが絶対参照で、ついていないほうは相対参照となります。
いまB1セルに「=$A1」という式が設定されているとします。
(A1セルの値を表示する式です。)
この式をC1、B2にコピーすると次のようになります。
「A」には絶対参照マーク「$」がついているので、どこにコピーしても「A」のまま。
「2」には絶対参照マーク「$」がないので、コピー先により変わるというわけです。
片方にだけ「$」をつけることで、横だけ(縦だけ)の絶対参照が可能になります。
エクセルの計算式があわなくなる原因のひとつは、式のコピーミスです。
絶対参照でコピーすべきところを相対参照にしてしまっては計算結果があいません。
ややこしそうなIT用語に感じるかもしれませんが、しっかり覚えておいてください。