
教員の働き方改革の中で、「先生になりたい人が減ってきている」「先生の成り手が少なく授業が出来ない学校も」と言われることがあります。実際のデータではどうなのでしょうか。
そこで、教員採用試験の倍率推移を調べてみました。
文部科学省が毎年「公立学校教員採用選考試験の実施状況について」というデータを公表しています。ここに公立学校教員の受験者と採用者数が掲載されています。
年度 | 受験者数 | 採用者数 | 倍率 |
---|---|---|---|
H20 | 53,061 | 12,372 | 4.3 |
H21 | 51,804 | 12,437 | 4.2 |
H22 | 54,418 | 12,284 | 4.4 |
H23 | 57,817 | 12,883 | 4.5 |
H24 | 59,230 | 13,598 | 4.4 |
H25 | 58,703 | 13,626 | 4.3 |
H26 | 57,178 | 13,783 | 4.1 |
H27 | 55,834 | 14,355 | 3.9 |
H28 | 53,606 | 14,699 | 3.6 |
H29 | 52,161 | 15,019 | 3.5 |
年度 | 受験者数 | 採用者数 | 倍率 |
---|---|---|---|
H20 | 58,647 | 6,470 | 9.1 |
H21 | 56,568 | 6,717 | 8.4 |
H22 | 59,060 | 6,807 | 8.7 |
H23 | 63,125 | 8,068 | 7.8 |
H24 | 62,793 | 8,156 | 7.7 |
H25 | 62,998 | 8,383 | 7.5 |
H26 | 62,006 | 8,358 | 7.4 |
H27 | 60,320 | 8,411 | 7.2 |
H28 | 59,076 | 8,277 | 7.1 |
H29 | 57,564 | 7,751 | 7.4 |
「先生になりたい人が減っているか?」という観点で受験者数をみると、過去10年で減り続けているというわけではありません。減ったり増えたりで、やや減少傾向といったところです。
このため倍率もここ10年は同じぐらいで推移しています。
なお、「昔は10倍を超えてたような気がするが…」というのは正しい記憶です。
過去には小学校教員、中学校教員とも倍率が10倍を超えていたことがありました。
基本的に不況期には教員志望者が増え倍率が上がる傾向にあります。
このデータを見る限りでは教員のなり手が少なくなっているということはなさそうです。